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IN A LITTLE HULA HEAVEN

  • 作曲: RAINGER RALPH,ROBIN LEO
#ハワイアン
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IN A LITTLE HULA HEAVEN - 楽譜サンプル

IN A LITTLE HULA HEAVEN|歌詞の意味と歴史

基本情報

IN A LITTLE HULA HEAVENは、Ralph Rainger(作曲)とLeo Robin(作詞)の名コンビによる1937年のポピュラー・ソング。ハリウッド映画『Waikiki Wedding』の挿入歌として発表され、南洋への憧憬を軽やかな旋律に乗せて描く。原題の表記は全大文字で示されることが多いが表記揺れあり。初演歌手やチャート成績の確定情報は情報不明。Rainger & Robinらしい端整なメロディと自然な英語詞の運びが特徴で、映画音楽とポピュラーの交差点に位置づけられる楽曲である。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示す“小さなフラの天国”は、日常から離れた親密な楽園=島の浜辺を象徴する。歌詞はフラの踊り、月夜、潮騒といった情景を織り込み、二人だけの時間を祝福するロマンティックな逃避行の物語を組み立てる。語彙は柔らかく、反復句がサビのフックを強め、甘美さと覚えやすさを両立。1930年代のポピュラーに見られるエキゾチックなイメージの用法も含みつつ、過度に誇張しない端正な語り口で、聴き手の想像に委ねる余白を残している。

歴史的背景

1930年代のアメリカでは、ハワイ音楽の流行とスクリーン・ミュージカルの隆盛が重なり、スチール・ギターやウクレレの響きが大衆文化を彩った。パラマウント映画で活躍したRainger & Robinは、洗練された旋律と機知ある言葉でこのムードを結晶化。本曲もその潮流の中で誕生している。公開年は1937年。制作スタッフやスタジオでの録音体制など詳細データは情報不明だが、映画公開と連動した楽曲展開が行われたことは当時の慣行からもうかがえる。

有名な演奏・映画での使用

本曲は映画『Waikiki Wedding』(1937)の劇中で使用されたことが確認できる。映画外での代表的録音、具体的なチャート成績、初演者の確定情報は情報不明。映画音楽の書誌やディスコグラフィーによってクレジット表記や年次に差異が見られる場合があり、一次資料(公開時のプログラム、当時のレーベル資料等)の参照が望ましい。映画との結び付きは強く、同時代のハワイアン趣味を体現するナンバーとして知られる。

現代における評価と影響

今日では、戦前ポピュラーとハワイアン・ポップの交差を示す好例として言及される。ノスタルジックで穏やかなムードは、ラウンジ/スウィング系の選曲やカフェBGM的文脈にも適合し、戦前ソングのリバイバル企画で再演されることもある。併せて、当時の南洋表象をどう聴き直すかという文化的な視点も提示され、歴史的背景を踏まえた受容が推奨されている。資料面ではメタデータの揺れが残り、精査余地もある。

まとめ

IN A LITTLE HULA HEAVENは、RaingerとRobinの職人芸が光る映画発のポピュラー・ソング。恋と楽園のイメージを端正なメロディに封じ込め、1930年代アメリカの気分を今に伝える。映画『Waikiki Wedding』との関連を手掛かりに作品背景を押さえれば、曲の位置づけと魅力がいっそう鮮明になる。未確定のディスコグラフィー情報は情報不明として扱いつつ、当時の文脈とともに味わいたい一曲だ。